中皮腫と石綿
中皮腫のほとんどは石綿によって起こります。石綿を吸い込むと、数十年後に中皮腫、石綿性肺がん、石綿肺等を起こすことがあります。WHOは1972年の会議で石綿の発がん性を明確にしました。日本は、1975年に石綿吹き付け作業を原則禁止し。1995年に毒性の強い茶石綿と青石綿を1%以上含む製品の製造と使用が禁止され、2004年には白石綿も加わりました。さらに2006年には、代替できない製品を除きほぼ全面禁止となりました。しかし、これまでに日本は大量の石綿を使用し、その多くが建材や製品として残っていることから、引き続き曝露の危険があります。
中皮腫患者に適用される社会保障制度
職業性曝露で中皮腫を発症した場合は労働者災害補償保険法の対象なります。また、その他の中皮腫患者には、石綿健康被害救済法によって医療費などが給付されます。
それぞれの申請先、申請方法、補償内容が異なります。申請には病理診断に関する書類も必要なので、診断から早い時期に準備をすることが重要です。患者団体やNPOが申請の手伝いを行っています。